複数のセグメントにまたがったWindows Networkを構築するために、WINSサー バーというしくみがあります。これは、DNSと似たような役割をします。
まず、名前解決の仕組みですが、コンピューターが起動したときに、自分のコ
ンピューター名とIPアドレスをWINSサーバーに登録します。WINSサーバーは
LMBなどと違って、あらかじめ決まったコンピューターなので、ブロードキャ
ストは不要です。
名前解決をする場合は、ブロードキャストを使うのではなく、WINSサーバーに
名前を問い合わせて、IPアドレスを取得します。このように、WINSサーバーを
使えば、ブロードキャストは不要なので、間にルーターがはさまっていてもちゃ
んと動作します。
続いて、ブラウジングです。WINSサーバーはコンピューターの一覧を持ってい
るので、それを取得すれば良いような気がしますが、どういうわけか、そうなっ
てはいません。
どうするかというと、まずドメインマスタブラウザ(以下DMB)というコンピュー
ターを1台用意します。DMBは何をしているかというと、LMBの一覧を持ってい
ます(LMBは各セグメント毎に1台ある)。
LMBになったコンピューターは、まずWINSサーバーからDMBのIPアドレスを取得
します。続いて、DMBから他のLMBのIPアドレスを取得して、LMB同士でコンピュー
ターの一覧を交換しあいます。こうすることで、全部のLMBが全コンピューター
の一覧をもつようになります。
コンピューターの一覧が欲しい場合は、LMBに問い合わせて手に入れます。
上記で書いたように、要はWINSサーバーとDMBを用意すればVPN越しでも Windows Networkがまともに動くようになります。
Sambaを使う場合、ネットワークでどれか1台のsmb.confに次のような設定をし ます。なるべく常時稼働しているコンピューターが好ましいでしょう。
ただし、すでにNTドメインを使っている場合には、"domain master=yes" の設定を行うとNTドメインと競合してうまく動かなくなり ますので、そのような場合は"domain master=no"にしてください。
Windows NTやWindows 2000を使う場合、ちょっと注意が必要です。Windows NT WorkstationやWindows 2000 Professionalは、WINSサーバーになることはでき ますが、DMBになることができません。WindowsでDMBになれるのは、Windows NT Serverや、Windows 2000 Serverをドメインコントローラ(ドメインログオ ン機構を提供するサーバー)に設定した場合だけです。このため、Windowsだけ で構成する場合、必然的にドメイン構成で使うことになります。
WINSサーバー以外のコンピューターには、WINSサーバーのIPアドレスを設定し なければなりません。
Sambaであれば、smb.confに以下の1行を書きたしてください。
Windowsクライアントの場合は、ローカルネットワークの設定から、TCP/IPの
設定ダイアログを開くと、WINSサーバーを指定するタブがあります。以下に、
WindowsXPとWindows98のTCP/IP設定画面を載せておきます。
以上の設定で名前解決やブラウジングができるようになったと思います。これ
で幸せになれたように思うかもしれませんが、1つだけ落とし穴があります。
それは、プロバイダーの定期メンテナンスなどで、VPN接続が切れた場合に問
題になります。WINSサーバーやDMBがあるネットワークは問題ないのですが、
反対側のネットワークからはWINSサーバーやDMBと通信することができなくなっ
てしまいます。
WINSサーバーと通信できない場合でも、自動的にブロードキャストを使って名
前解決をするようになるので、全く使えないわけではありません。しかし、
WINSサーバーへ接続を試みてタイムアウトした後、ブロードキャストによる名
前解決を行うので、共有ドライブに接続するまでちょっと時間がかかったりし
ます。
WINS+DMBで構築する場合の注意を何点かあげておきます。