X.orgでWUXGA表示を行う

我が家では、三菱ディスプレイ社の RDT261WH を使っています。このdisplayは、WUXGA(1920x1200)の解像度を表示でき るすぐれものですが、Linux + X.orgからWUXGA出力をするためには少しコツが いります。

# なかなか表示できずにハマったので自分用メモ

Modeline

SXGA(1280x1024)などの解像度であれば、X.orgが標準でModelineを持っている ため、"Screen" sectionに「Modes "1280x1024"」と書 くだけで、SXGA出力となります。ところが、WUXGAのModelineは(X.org 7.2の 時点では)持っていない様で、/etc/X11/xorg.confに書き込まなければなりま せん。

一般には、欲しい解像度のModelineを手っ取り早く作るに は、"gtf" というcommandを使います。解像度と垂直同期周波数を 指定すると、以下の実行例のようにModelineを出力してくれます。これを、 /etc/X11/xorg.confの"Monitor" sectionに書き込めばよいわけで す。

$ gtf 1920 1200 60
  # 1920x1200 @ 60.00 Hz (GTF) hsync: 74.52 kHz; pclk: 193.16 MHz
  Modeline "1920x1200_60.00"  193.16  1920 2048 2256 2592  1200 1201 1204 1242  -HSync +Vsync

ただし、WUXGAのdisplayをDVI接続する場合、このModelineでは動き ません。

Pixel clock

上記のModelineで動かない理由は、DVI規格に制限があるためです。Pixel clockといって、DVI端子を通して出力できる速度に制限があり、DVIではこれ が165MHzまでとなっています。すなわち、1秒間にDVI端子から出力できる情報 は1億6500万pixel までということです。

上記のgtfで作成したModelineでは、pixel clockが193.16MHzになっています。 DVIの165MHz制限を越えてしまっているため、正常に表示できません。

Reduced Blanking

Pixel clockをなんとか165MHzに抑えるためには2つの方法が考えられます。1 つは、垂直同期周波数を下げてしまうことで、例えば50Hzにすると、以下のよ うにpixel clockは158.08MHzとなり、DVI規格の範囲に入ります。これを表示 できるdisplayなら解決ですが、RDT261WHは、WUXGA時に垂直同期60Hzしか受け 付けませんので、この方法ではダメです。

$ gtf 1920 1200 50

  # 1920x1200 @ 50.00 Hz (GTF) hsync: 61.75 kHz; pclk: 158.08 MHz
  Modeline "1920x1200_50.00"  158.08  1920 2032 2240 2592  1200 1201 1204 1242  -HSync +Vsync

そこで、もうひとつの方法として、"Reduced Blanking"という方法 を取ります。最初の1920x1200@60HzのModelineでは、出力端子は 1920x1200pixelの画像を送っているのではなく、実は上下左右に余白のついた 2592x1242pixel分の画像を送っています。Pixel clockを計算してみると、 2592x1242x60Hz=193155840Hz=193.16MHzとなっていることがわかります。余白 の部分は、帰線期間と呼ばれていて、CRT(陰極線管/ブラウン管)で走査線が画 面の右端まで行った後に左端に帰るために必要な時間として設けられています。

液晶表示器では、走査線が行ったり来たりするわけでは無いので、帰線期間は 本来必要ありません。ということで、Reduced Blankingと言う方法は、帰線期 間を削ってしまって(余白を減らして)165Mhzのpixel clockに抑える方法です。 1920x1200x60Hz分だけならpixel clockは138MHzです。

X.orgでReduced Blankingを使うためには、/etc/X11/xorg.confの "Monitor" sectionに「Option "ReducedBlanking"」を 書く必要があります。それから、Modelineに帰線期間を削ったModelineを書き ます。

/etc/X11/xorg.confの例

以上の事を踏まえて、/etc/X11/xorg.confの"Monitor" sectionに、 以下のように書くと、DVI端子経由でWUXGA解像度での表示ができるようになり ます。なお、Mac-mini(ppc 1.4GHz、Radeon9200搭載)でのxorg.conf全体も参考にしてください。

Section "Monitor"
  Identifier   "RDT261WH"
  VendorName   "MEL"
  ModelName    "Mitsubishi RDT261WH"
  DisplaySize  550.08 343.80
  HorizSync    31.5-82.3
  VertRefresh  60
  Option       "DPMS"
  Option       "ReducedBlanking"
  Modeline     "1920x1200" 154.012 1920 1968 2000 2080 1200 1203 1209 1235 -Hsync +Vsync
EndSection

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